魚から新しい素材(粘土)を生成してみた

魚から粘土を生成した。
何を言っているか分からないと思うが、とりあえずできたので記しておく。
魚の捨てるところを使うのでエコかも!!知らんけど!

最初に

自分はよく魚皮をなめしている。
「鞣す」とはなめし剤を使い、動物の繊維状のコラーゲン層の結合を強めて耐熱性や柔軟性を持たせることである。

鞣す対象であるコラーゲンは3重螺旋の形になっている。そのコラーゲンを75 ~ 85℃で熱すると、その螺旋がバラバラになって所謂ゼラチンというものになるらしい。コラーゲンとゼラチンの差はその構造の違いくらいらしい(厳密に言えば正しくないかもしれないけど)。

ゼラチンとコラーゲンの違いはなんですか。 | お問い合わせ窓口 | 森永製菓株式会社
分子レベルに違いがあるものの、食品として摂取する分には同じと考えてかまいません。 コラーゲンは、生体内にもっとも多く含まれるたんぱく質で、ゼラチンはコラーゲンからつくられたも...

コラーゲンとゼラチンの差が構造くらいだとするならば、コラーゲン層を持つ「魚皮そのもの」ではなく、例えばゼラチンが含有している「魚の煮凝り」とかも鞣せるんじゃないだろうか。

煮凝りを鞣す場合は、粒子の小さい繊維がたくさん作られるイメージなので、シート状にはできないかも(紙漉きを参考にすればできそうだけど)。

自分のイメージはこんな感じ。

まあやってみないことには分からないよね。ということでレッツトライ!!

手順

今回は(友達が)釣ったビンチョウマグロのアラで試してみる。

①ビンチョウマグロのアラを煮込む
アラを水洗いしてから鍋でぐつぐつ煮込む。
アラにあるコラーゲンを水にどんどん溶けこませたい。

アラについている身は美味しく食べました。
結局乳化するくらい煮込んだ。

煮込んだものをコーヒーフィルターで濾して…

ゼラチン抽出液の完成!ちなみにとても美味しい。

②なめし剤を入れて混ぜる
先ほどできたゼラチン抽出液が温かいうちになめし剤を入れて混ぜる。
今回はケブラチョエキスを使用。ケブラチョは南米地域に分布する木であり、その粉末をお湯で溶かせばタンニンを多く含んだなめし剤となる。

左はケブラチョエキス

この二つの液体を混ぜてみると…

なめし剤を入れて混ぜると、すぐに謎の物体が生まれた。
繊維質だけどドロドロしており、口の中で嚙みすぎて少し溶けてきたガムみたいな感触。
分かるかな、この気持ち悪い例え。

わお
なんじゃこりゃ

多分これは、マグロから抽出されたゼラチン同士がなめし材により結合したものなんじゃないかな。
間違ってたらすまん。
ちなみに残った液を冷やしたら固まらなかったので、液中からゼラチンは消えているみたい。

③成形する
指で加圧し物体中の水を抜いていくと、どんどん固くなっていく。
まるで粘土みたい(タイトル回収)。

繊維質ではある。
ペレット状
ボール型、ハートみたいなやつ

④乾燥&磨き
乾燥させると更に硬くなる。乾燥後に紙ヤスリで磨いていく。

硬くなるとは言ったものの少し脆さも感じるので、慎重に磨こう。

⑤仕上げ
最後にニスを塗って仕上げに入る。
ニスが染み込んでいくため、乾燥したときにさらに硬くなった。
ニスを塗って乾かしてから紙ヤスリで磨いた方がよさそうだ。

革のような質感もある
丸!

ちなみにこんな硬さ。

とりあえず謎の物体ができた!!

使い道を考えよう

謎の物体ができたけれども、これが何に使えるのか考えてみた。

①アクセサリー
これが一番無難かな。魚好きな人に「マグロ真珠」とか言って売りつけよう。

②環境に配慮した商品諸々
例えばサバゲーの弾とか、ルアーとか、放置したときに自然に還ってほしいものに使えないだろうか。
植物由来のなめし剤を使っているため、環境にもあまり負担なく分解されるのでは。
でも既にあるバイオBB弾とかと比較したらコストはかかるだろうな。

③紙
今回はゼラチン濃度が高い溶液になめし剤を入れたため、繊維がすぐにひとまとまりになった。
濃度が薄い溶液にして、紙すきを参考にすれば、紙みたいな薄ーいものが成形できそう。

今回は①のアクセサリーを試してみる。

目の細かいヤスリで磨いていく
不思議な模様が浮かび上がった

パーツクラブでパーツを買って…

茄子っぽい。ええやん!

まとめ

ということで魚由来の謎の素材&アクセサリーができた。いろんな形に形成できるから汎用性は高そうだ。タンニンは緑茶にも含まれているし、魚と茶葉で有名な静岡県で販売してみてほしい。

最後に、冒頭で「魚の捨てるところを使うのでエコかも!!」とか書いたけど、肥料にした方がよっぽどエコだと思う。でも使い道はたくさんあった方がいいよね!!

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