鶏の皮を鞣してみた

世の中には色んな革加工品がある。
有名どころで言ったら牛革とかワニ革とか…でも鳥革ってあんまり聞かない。
気になるので作ってみたよ!

最初に

そもそも鳥革加工はあるのだろうか…??
調べてみるといろいろと出てきた。

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ダチョウであったりヒクイドリであったりニワトリであったり、鳥革の商品化はされているみたい。
鳥肌なんて言われているように、羽毛を抜いた後のボツボツとした模様が他の革にはない特徴なのだろう。好みは分かれるとは思うが、なかなか面白い素材だと思う。

そんな唯一無二の特徴を持っている鳥革、なんでそんなにメジャーじゃないんだろう??
実際に鳥革を作ってみたら分かるかな??

鳥革加工の手順

ということで鳥革を作ってみよう。
①鳥皮の調達
今回は身近で調達しやすいニワトリの皮を使おう。
近所のスーパーで鶏もも肉を購入したぞ。

100gあたり78円!!ぼちぼち!!
皮の表面はこんな感じ

②身・脂の除去
見てわかる通り、皮に身や脂が付着しているので、これをこそぎ取っていく。

脂の層がすごい。

が、これまた見てわかる通り、鳥皮は結構薄い。
実際に包丁で脂をこそぎ取ろうとすると、皮が破れてしまう。

皮が薄い&脂が多い。これが鳥革がメジャーにならない理由なのだろう。う~ん悩ましい。
とりあえず無理ない範囲で皮を綺麗にしていこう。

③洗浄する
皮の表面を洗浄していく。

塩素系の漂白剤に一晩漬ける。
色が真っ白に。

④鳥皮の脂を除去する
ここまでやってはみたものの、皮にはまだまだ脂がついているので何とかして除去したい。
料理の時は鳥皮を焼くことで脂を除去するよね…だったら今回も熱を入れて脂を除去できるのでは?

調べてみたところ鶏脂の融点は30℃~とのこと。
30℃以上かつ鳥皮が熱変性しない温度まで上げてみよう。

脂の融点加熱温度熱変性温度
30℃~40℃50℃付近~
タンパク質といってもたくさん種類があって種類に応じて変性温度も違うみたい。

今回は炊飯器の保温機能で40℃に加熱・保温(3時間)してみたよ。結果がこちら!

加熱前
加熱後。あんまり変わらない…??

温度が低いのかなあ。これ以上加熱して熱変性しちゃっても悲しいし…

⑤皮を鞣す
脂が思ったより除去できないが、ひとつ思いついた。
皮はなめされることにより、熱耐性が付与されるのだ。皮を鞣したあとであれば、もっと温度を上げて脂をより除去できるのでは??

脂の融点加熱温度熱変性温度
鞣し前30℃~40℃50℃付近~
鞣し後30℃~60℃70℃付近~
一般的に、植物鞣しの革は70℃付近まで耐えられるらしい。

鞣し後だったら、鞣し前より20℃高い温度で加熱できる??知らんけど。
ということでまずは鳥皮を鞣していく。

鞣し方はこちらを参考にしてね。
鞣し液に漬けて…
その後何日もかけてタンニンを抜いたもの
目で見える脂は手でもぎろう。鞣し前より簡単に除去できる。

そして熱を通していくぞ!同じく炊飯器にて加熱(60℃)&保温。

どんどん脂が溶けている??
脂が抜けきった訳はないと思うけど、これが限界かなあ

⑥乾燥&加脂
乾燥させた後に油を塗りこんでいく。
ただやっぱり鶏脂が抜けきっていなかったのだろう、加脂しなくても十分柔軟性がある。
ちなみに臭みなどはまったく感じない。

よく見ると毛が残ってる…
爬虫類のように鱗っぽいところもあれば…
鳥らしくボツボツのところもある!

ちゃんと鳥らしさが残った革を作ることができた!
でもやっぱり革の薄さに加工の難しさを感じる。だからダチョウとかヒクイドリとか大きい(皮が厚い)鳥が主に加工されているんだね。

加工

鶏でできた薄~い革で何が作れるかな??
加工案①:コースター
一番シンプルだよね。布などでしっかり補強しながら作ってみよう。

クリアファイルを切りコースターの土台を作る。
土台に革を貼り付ける。
表面はこんな感じ
同じように適当な布で裏地も用意する
周囲をぐるっとかがり縫い
じゃーん!完成!!
ひよこを置いた。

加工案②:ボタン
薄いという特徴を活かして、クルミボタンを作ってみよう。

手芸品店で購入
土台にはめて…
THE 鳥肌!!水玉模様だと思えば可愛い。
革の場所によって模様が変わるので面白い。

このボタンを使ってアクセサリーとかマグネットとか作れるね。可能性は無限大!!

まとめ

薄い革は革でいろいろと使い道がありそうだ。
みんなも好きな鶏肉でオリジナルグッズを作ってみよう!食べるだけが鳥皮じゃない!!

でもやっぱり食べたい

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