イカの甲って、意外といろんな使い道がある。ペットのカルシウム補給用のエサ(カトルボーン)になったり、漢方薬になったり、なんと鋳造にも使われているらしい。ってことで、実際にやってみたぞ!
最初に
イカの甲とは、コウイカ目が体内に持っている大きな骨のような部位である。


非常に軽く加工しやすいことが、この素材の特長だ。
この素材の特長はもう一つある。
イカの甲は融点800度以上の炭酸カルシウムで構成されているため、耐熱性も兼ね備えているのだ。
加工がしやすく熱に強い。そういった性質のため、古くから鋳造型に使われてきたんだとか。
作り方
イカの甲が鋳造型にピッタリなのはよく分かった。早速トライしてみよう。
今回は海岸で拾った謎のイカの甲と、モンゴウイカの甲の2種類で鋳造をやってみよう。
イメージはこんな感じ。

①イカの甲を平らにする
モンゴウイカの甲は半分にしてから、紙ヤスリで磨き表面を平らにしよう。


②彫刻する
イカの甲に好きな模様を彫刻していく。まずは謎イカの甲から。


次にモンゴウイカの甲を削っていく。


朱肉を使って彫る箇所のあたりをつけたよ。
③金属注入の下準備をする
金属を注ぐための注入口を作った後、針金で2つをしっかり密着させよう。



これを怠ると、注いだ金属が漏れ出ちゃうよ。
④金属を溶かして注ぐ
よっしゃ!金属を注いでいこう!
ちなみに家でやろうと思うと、ガスコンロでも溶かせる金属を用意する必要がある。
鉄の融点なんて1500℃以上だもんね、ガスコンロじゃ溶かせるわけがない。
仮に電気炉などで溶かせたとしても、そんな高温だとイカの甲が燃え尽きてしまう。
そんなあなたにぴったりなのが「錫(すず)」!
融点が230℃程度でガスコンロでも溶かせるうえに、毒性もないのだ!!
確かに錫製の食器とかよく売られているよね。

この錫をガスコンロで熱して溶かし、イカの甲に注いでいこう。
まずはイカメダルから。



クッキーの型とか良いかもね。

次にイカフィギュアに注いでいく。


⑤型から抜く
めちゃくちゃ熱いのでしっかり冷ましてから、型から金属を取り出そう。
しっかり鋳造できているのかドキドキするぜ。


思っていたより、しっかり形になっているぞ!!


どちらも細部まで金属が行きわたっている。すごい。
特筆すべきは、イカの甲の模様が綺麗に反映されているところ!


まとめ
「鋳造」と聞くと非常にハードルが高いように思えるが、イカの甲という扱いやすい素材のおかげで簡単にトライすることができた。

イカは食べても美味しいし、染料にもなるし、ルアーにも鋳造の型にもなるし…
捨てるところがない、人間にとって有難い生き物だということが分かった。
ありがとうイカ、これからもよろしくイカ。
↓過去のイカシリーズはこちらから!
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