魚皮(マグロ・カワハギ)のなめし方を記しておく。
*あくまでも鞣し風だと思ってみていただければ幸いです。特にカワハギに関しては「鞣す」という定義とは少し違うのかも。
後日リベンジもしたので、こちらの記事も要チェック!
「鞣す」とは??
「鞣(なめ)す」とは、植物や動物の「皮」を加工し、「革」にする行為を指す。
漢字からわかる通り、皮革を柔らかくしたり、耐熱性・耐腐性の付与を行うのだ。
鞣す方法にはいくつかあり、叩いたり揉んだり噛んだりなど物理的に革を柔らかくする方法や、植物の液に漬けたり油を染みこませたりする方法がある。
今回は後者の方法のひとつである、「タンニン鞣し」を実践してみる。
ちなみにタンニンは身近にあり、渋柿やお茶に含まれている。渋柿食べたときにベロがキュッとなるのはタンニンのせいらしい。
どんなものにも使い道はあるんだなあと感心。
魚皮の入手
魚の皮を鞣すためには魚の皮が必要。だがどんな魚が鞣し加工に合うのか、まったく想像つかない。ということで近場の漁港に魚の皮を求めに行った。
どの魚が鞣し加工に向いているのかさっっぱりわからん!!!
せっかく鞣し加工をするのだから、分厚い皮を鞣してみたいが……なんかいい魚いないかな~
ということで、漁港のお母さんに相談してマグロの皮を譲ってもらった。非常にありがたい。
ゴミ箱にあった奴だから食べちゃダメよ~と忠告されたが、今回は問題ない。
皮をもらうだけでは忍びないので、他にも魚を購入。カワハギなんて意外と革加工に向いているのでは?
結局今回の購入品は以下の通り。この2種類を鞣していこうと思う。
鞣す手順(本記事メイン)
いよいよ本記事のメイン。魚の皮を鞣していく。
色々なサイトを確認し独学で鞣してみたので、もしかしたらもっと良い方法あるかも…
①皮から鱗・身を落とす
カワハギはさばいてつるっと剥くだけで完了。
問題はマグロさん。身は皮にべったりついているので、包丁を使って赤身をこそぎ落とした。
切れ味の良い包丁だと皮ごと切ってしまうので、切れ味の悪い包丁やナイフがおすすめ。
鱗はスプーンでガリガリっと取っていく。結構力仕事になるので要注意。
②皮から脂・汚れを落とす
次に皮の汚れや不純物を取り除いていく。調べたところ、魚皮加工が盛んなフィンランドでは魚皮の汚れや不純物を取り除くために石灰漬けにしているとのこと。石灰漬けということはアルカリ性…合ってるかどうか知らないが、家にある弱アルカリ性洗剤を使って魚皮を洗浄してみることにした。
溶液に約1時間つけ洗浄する。
汚れが落ちていることはもちろん、若干色が変わり、皮が柔らかくなったような…
ひとつ注意点、カワハギの皮はざらざら(サメ肌)しており、マグロの皮と一緒に洗浄すると皮同士が絡まってぐっちゃぐちゃになる。カワハギの皮を洗浄したい時は、他の魚皮とは別の容器で行った方が良いかもしれない。
③皮をタンニン漬けにする
次に魚皮をタンニン溶液へ漬けていく。
濃度の高いタンニン溶液へ最初に漬けてしまうと表面だけにタンニンが定着し、皮内部まで十分に浸透しない。よって、濃度の薄いタンニン溶液から浸していくのがセオリーらしい。
魚皮の場合そこまでしなくていいのかもしれないが、今回はセオリーに従おう。
今回はウーロン茶と紅茶をタンニン溶液として使用する。
まずはタンニン含有量が少ないウーロン茶から作った薄めのタンニン溶液に漬け、その後タンニン含有量が多い紅茶から作った濃い目のタンニン溶液に漬けていく。我ながらアバウティな濃度調整。
ドス茶色の液ができた、少し飲んでみたら舌がぴりぴり。これがタンニンによる渋みの効果なのであれば、問題なくタンニン抽出できていそう。
この液に魚皮を漬けこんでいく。今回はジップロックを使用した。
魚皮が重ならないのであれば、パレットやタッパーで漬けてもいいと思う。
ジップロックに魚皮を入れウーロン茶を注ぎ、日が当たらない場所に放置した。
ただ、ここで注意。ジップロックをしっかり閉めたつもりでも、タンニン溶液が結構漏れ出る。
ジップロックで漬ける場合はダブルジッパーなどが良いかもしれない。
ウーロン茶タンニン溶液に漬け約3日放置。
次に紅茶由来のタンニン溶液を作り、漬けこんでいく。
やっぱりドス茶色の液。舐めたら舌がバグった。
ウーロン茶の時と同様、新しいジップロックに魚皮を入れ紅茶に漬けこむ。
この状態で、追加で4日間置いておいたため、合計約1週間のタンニン漬けを行った。
そして漬けこんだ魚皮がご覧の通りである。
ひゃ~!!見た目が革だ!!すごい!!
見た目だけでなく、魚の皮らしからぬ硬さとしなやかさを持っている。
好奇心に負けて少し食べてみたが、めっちゃくちゃ不味かった。紅茶風味の魚皮だもんね、美味しいわけない。
次に、魚皮の乾燥、柔軟性を与えるための油の塗りこみを行っていく。
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