膠(にかわ)とは?
膠とは、古来の天然接着剤。
今でこそ、ノリとかボンドとか樹脂を主成分にした接着剤はたくさんあるけれど、昔は動物や植物からネバネバ成分を抽出し、接着剤として使っていたのだ。
植物由来の接着剤で有名なのは、お米を細かくすり潰して作った「デンプン糊」。
「舌切りスズメ」の話の中で、スズメが糊を食べておばあさんを怒らせた一説がある。なんで糊なんか食べんねんと思っていたけれど、お米由来の糊だったろうから納得だよね。

一方、動物由来の接着剤が「膠(にかわ)」。動物の皮や骨を煮込んでゼラチンを抽出したものだ。
ゼリーを作るときに市販のゼラチンを使うと思うけど、あれも実は豚が主成分。
膠は一般的には哺乳類を素材にして作るけど、魚から作られた魚膠(ぎょこう)もあったんだって。哺乳類の膠と比べて融点が低い&透明度が高いから、日本画や美術品の修理に重宝されてきたんだそう。
日本画や美術品の修理をする予定はないけれど、気になるから作ってみようかな。
魚膠の作り方
①魚を用意する
ゼラチン成分なんて、魚のあらゆる部位からとれる。魚をさばき、皮や骨などを用意しよう。
自分はたまたまスズキの浮袋がたくさん手に入ったので、それを使ったよ。

ちなみに浮袋は、肉厚&コラーゲン層を多く含んだ食材。
さっと茹でてポン酢で食べると美味しいんだそう。申し訳ないけど、今日のところは接着剤になってくれや。
②洗浄する
魚の内臓って結構脂肪がついている。見えるところは包丁で取り除こう。

浮袋を切り開くと、中には血管?が結構入っている。
膠の生臭さの原因になってしまうので、このタイミングでしっかり取り除こう。
洗浄したものがこちら。


③石灰水に漬けこむ
次に、石灰水に漬け込むことで不必要な脂肪やタンパク質を取り除いていこう。
漬け込みすぎると皮が傷ついてしまうため、革加工の際は細心の注意を払う必要がある。
今回はゼラチン層を抽出することが目的なので、皮の損傷は考慮せず、しっかり時間をかけて漬け込んでみよう。


石灰水は強いアルカリ性。素手では触らないように気をつけよう!!
環境にもよくないから、石灰水を捨てる際は、酸で中和するか、めちゃくちゃ大量の水で薄めてね。


ちなみに浮袋は手で千切れるくらい脆くなっている。恐るべし石灰水!
④煮込む
洗浄したものを細かく刻んでから、鍋でぐつぐつ煮込んでいこう。



⑤乾燥
煮込んだゼラチン液を濾してから、バレットに出して冷まそう。
その後は、風通しの良い場所に置き、水分を完璧に取り除いていく。
その辺で乾燥させるとカビが生えてくるので要注意。

ちなみに不純物や脂は目で見てわかる通り、結構残ってしまった。完璧に取り除くのは難しいねえ。
そして乾燥させたものがこちら!

ということで、魚から作った魚膠は完成!
実際に使ってみた
作った魚膠。本当に接着剤として使えるの??
まずは下準備から。


①木材の接着
まずはこれでしょ。適当な木材をくっつけてみよう。




②紙の接着
日本画の修復をする予定はもちろんないが、紙の接着も試してみよう。
先ほどの接着剤をもう少し水で伸ばし、シャバシャバにして使う。




まとめ
魚膠を作ってみたが、思っていたより接着力が高い接着剤ができた。
ご覧の通り、よっぽどのことでは剥がれない。
ゼラチンが主成分なので水・熱に弱いところがデメリットではあるものの、接着剤として使う分には申し分ない性能だ。
また、裏を返せば、熱湯をかけることで接着&離接を繰り返せることが膠のメリットでもある。


食べても大丈夫な天然由来の成分だし、他にも使いどころはたくさんあるかもしれない。
例えば犬猫のおもちゃとか…また使い道を考えてみよう。







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