日本の伝統的な染色手法のひとつである「貝紫染め」をやってみた。
誰でも簡単に家で再現できる。夏休みの自由研究とかにオススメかも。
貝紫染めってなに?
貝紫染めとは、ざっくり言うと貝の内臓から色素を抽出して染める方法である。
貝の内臓と聞いて気持ち悪く感じる人もいると思うが、非常にきれいな紫色かつ多くの巻貝を必要とすることから、古来より貴族しか身に着けられない「高貴な色」として重宝されてきたのだそう。
↑着物を染めてる人もいる。
クレオパトラもこの色を好んでいたことから、「クレオパトラの紫」なんて呼ばれているみたい。
そんな貝紫だが、貝の内臓だったら何でもよいわけではない。アッキガイ科の貝が持つ内臓である”パープル腺”に含有されている分泌液が貝紫染めに必要なのだ。ちなみにその分泌液は捕食者に対する防御や餌の貝類を攻撃するのに利用されているらしい、要するに毒。
アッキガイ科は日本近海にもたくさん生息していて、有名なのはアカニシ貝とかイボニシ貝。みんなも聞いたことや食べたことがあるのでは??
イボニシ貝は小っちゃくてパープル腺の抽出が大変だろうから、比較的大きいアカニシ貝でやってみよう。
貝紫染めの手順
①貝を調達
まずはアカニシ貝を調達せねば。近くの漁港やスーパーを周ってみたのだが、全く売ってない。
夏のバーベキューシーズンということもあり、サザエやホンビノス貝ばっかり。
アカニシ貝の旬は夏なので、全く売られてないということはないはずなのだが…
ということで、通販を頼ることに。活きアカニシ貝を1キロ3000円程度で購入。貝殻含めて1キロだから結構お高めだね。
②貝殻を割る
中のパープル腺を取り出すために、貝殻を割る。玄人は貝の上部にある貝柱だけをうまい事切って中身を取り出すらしいが、不器用な僕は当然そんなことはできない。
思い切ってハンマーで粉砕しよう。
③パープル腺を抽出する
まずはパープル腺を見つけよう。
内臓を切り開いていくと黒色のジグザグした細い内臓が出てくるので、そこを切ってみよう。
蛍光色の黄色い液が出てくるよ。
ちなみに、この作業をするときは“絶対に”ビニール手袋を身に着けよう。
パープル腺溶液が手についてしまうと、全く落ちない。肌は1週間、爪は1か月近く色が落ちなかった。
④布に塗る
本来は消臭したり、粒形を小さくしたり…など、パープル腺溶液の加工が必要なんだろうけど、今回はお試しということで、抽出したパープル腺溶液をそのまま布に塗布してみる。
ちなみにこの時点では黄色。あることをすると、この黄色が紫色に変わっていく。
⑤紫外線をあてる
このパープル腺溶液に紫外線をあてると、色が変わっていくらしい。
化学反応の詳細は上の引用サイトとかを参考にして!自分には正直よく分かりませんでした。
今回はなぜか夜に作業してしまったので、日光に当てることができない。
ということで、レジン加工で用いる紫外線照射器を使ってみた。
どうやら反応の途中らしい。もう少し照射を続けてみよう。
まとめ
簡単に貝紫染めを体験することができた!アカニシ貝を調達することが一番難しいかもね。
でも貝紫色染めを生業としている人は、より綺麗に発色するように、より色が長持ちするように、より臭いが気にならないように、更なる工夫をしているのだろう。恐れ入る。
誰でも簡単に、高貴な紫を手に入れられるぞ!!成り上りたい人にオススメだ!!
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