名古屋市在住の人でもほとんど知らない「道徳」について、アド街してみたよ。
道徳~かつての繁華街~
今回取り上げるのは名古屋市南区の北西に位置する道徳(どうとく)。
金山駅まで電車で7分と便利な立地にあります。

過去には様々な娯楽施設を誘致・建設し、愛知でも有数の繁華街だった「道徳」。
今でもそのエンターテイメントな名残を感じる、調べれば調べるほど面白い、奥深い街でした。
7位 道徳??
「道徳」。なかなか珍しい地名です。

善人ばかり住んでいそうだね
実は愛知の南側は埋立地。道徳周辺も元々は海でした。
江戸時代になると人口が増え、土地を増やすために新田開発(干拓)を進めていきました。
海を堤防で囲い、水を抜いて土地にする…マインクラフトでやったことある人もいるのではないでしょうか。

そんな干拓地のひとつである「道徳新田」・「道徳前新田」が「道徳」という地名の由来。
当時愛知で有数の富豪であった鷲尾善吉氏が開築を推しすすめていったのだそう。
なぜ「道徳」という名前なのか、正確な情報は見つかりませんでしたが、当時の尾張藩が「道義をもって徳を施す」という方針で新田開発を行ったことが由来という説も。

<石碑要約>(間違ってたらすまん)
寛政4年、鷲尾善吉は尾張国 海西郡塩田村の百石の百姓の家に生まれる。
文化14年、26歳の鷲尾善吉は私費で道徳前新田の建設に着手。これが現在の道徳前である。
~
文政4年、最大の新田が完成。しかしその後、風水害により堤防が何度も決壊し、財政難に陥る。
ついに蓄えをすべて使い果たし、借金を抱え徳川家へ水田を差し出した。その他多くの借金も背負い、8年間の苦闘は水の泡となった。
文政7年、鷲尾善吉は故郷の塩田村に戻り、明治14年に90歳で亡くなった。
~
蔓延元年、堤防が1年間で3回も決壊。農民は海藻を主食とした。
最終的には、藩主徳川家の威光により堤防の大規模な改修が進められ、その後、この地域では風水害の被害を受けなくなった。
大正14年、道徳前新田は住宅地として再開発。
~
先祖の功績を称えるため、記念碑を建立。
数々の苦難を乗り越えながら、海から陸へ、開築が進められていたことが分かりますね。
ちなみに「道徳」には「モラル」という喫茶店が。
道徳という地名にちなんで名づけられたのだそう。美味しいコーヒーがいただけます。


6位 名古屋市初の水族館
名古屋の水族館と言ったら「名古屋港水族館」!
ですが、名古屋市初の水族館はなんとこの道徳周辺にあったのです。
その名も「名古屋市教育水族館」。明治43年に山田才吉氏が、今の「東レグラウンド」がある位置に開設しました。

洋風の建物デザインや、パノラマ式に魚が回遊する様子を観察できるような展示方法など、当時としてはハイカラな工夫が施されており、開園当初の入場者数は年間14万人にも及びました。

魚だけではなく鳥類・哺乳類など、開園時には270種類の動物が展示されていたとのことです。
<魚類>
鯉・コチ・ゴンズイ・イナタ・鱧・金魚
<鳥類>
ガチョウ・朝鮮キジ・クジャク・ホロホロ鳥・インコ
<その他>
猿・ワニ・カワウソ・ウミヘビ・水牛・アザラシ・アシカ・オットセイ
(イルカも展示しようとしたが、逃げられたらしい…!)




その後、台風や海水の汚染など数多の災難に巻き込まれながら、昭和10年に閉館。
閉館に伴い、魚や動物たちは東山動植物園や旧 新舞子水族館に移されました。

もし今でも続いていたら、名古屋港水族館は道徳にあったのかも…??
5位 ラーメン屋
道徳・豊田本町周辺、実は結構ラーメン激戦区。
・ラーメン AICHI 百名店にも選ばれている人気店「支那ソバ きたがわ」
・とき卵ラーメンで地域の人に愛されている「大空」
・ネパール出身の店主が作る独創的な担々麵が食べられる「ネワ屋」
・本格的な北海道ラーメンが食べられる「突撃ラーメン」
・がっつり系の麻婆まぜそばが人気の「滝昇」
・少し(大分)歩けば、世界ラーメンNo.1決定戦で優勝した「えびそば緋彩」




などなど名古屋市の中心から離れている割には、多種多様なラーメン屋さんが集まっています。
ぜひ訪れてみては!
4位 観音公園
道徳駅から南に歩いて5分ほどの位置にある公園です。

何の変哲もない公園に見えますが、実はとっても面白い歴史があります。
こちらの画像は今の観音公園の北側の風景。

ご覧のとおり、なんと過去には大きな山・滝、そしてプールがありました。

昭和5年に道徳観音山が、昭和6年頃にプールとスケート場が作られ、道徳は名古屋屈指の歓楽街となったのです!観音山の頂上には、造形師「後藤鍬五郎」制作の道徳観音像が設置されました。
昭和39年に観音山等は壊されてしまいましたが、観音山のふもとにあった観音様は、今でも近くのお寺に祀られています。

3位 不思議な地形
観音町付近を歩いていると、なんだか不思議な路地が…



実は、名古屋市中村区にも同じような路地があります。
「中村遊郭」と呼ばれる非常に大きな遊郭があったのですが、斜めの路地を組み込むことで遊郭を外から見えづらくする工夫が施されていました。

道徳に遊郭があったという文献は見つけられませんでしたが、こういった路地を参考にしながら、遊郭を設置する計画があったのかもしれません。道徳のかつての栄華が垣間見れます。

2位 オールドスパゲティファクトリー
日本に2店舗しかない「オールドスパゲティファクトリー」。その内の1店舗が道徳近辺にあります。
アメリカ生まれのスパゲティレストランで、アンティーク家具やシャンデリア、シーズンに応じた装飾も楽しみのひとつです。

オールドスパゲティファクトリーのオススメは、もちろんスパゲティ!
ミートソース・トマトソース・クラムソース・ミゼトラチーズの4種類のソースが同時に味わえるスパゲティが名物となっています。


美味しいパンも食べ放題。サクサク焼き立てのパンはパンくずを散らかすこと必至!
テーブルにはパンくず専用のブラシが置いてあるのでご安心を。
1位 道徳公園
住民の憩いの場である「道徳公園」。
公園の中には野球場やテニスコート、バスケットコートがあり、連日多くの市民でにぎわっています。


実はこの道徳公園の南側には、もともと映画の撮影所が構えられていました。
その名も「マキノ中部撮影所」。日本映画の父と呼ばれていたマキノ省三氏により、昭和2年に開設。
閉鎖は昭和3年と短い期間ではあるものの、「実録忠臣蔵」をはじめ多くの映画が撮影されていました。
当時は多くの人々が撮影の様子を見学しに道徳に集まったんだとか。

事務所や撮影セット、関係者の寮や食堂があった土地には、今では道徳小学校・大江中学校が立っています。

話を今の道徳公園に戻しましょう。
公園内でひときわ目立つのが、こちらの「くじら」のオブジェ。


このオブジェは、道徳観音像の作成を手掛けた造形師「後藤 鍬五郎」により、昭和2年に制作されたもの。戦前から現代にいたるまで、地域の人々に癒しを与え、令和3年には国の登録有形文化財に登録されました。


目つきで判断してはダメ!!クジラ君は皆を温かく見守るナイスガイなのです。







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